何かを始めようとしたとき、
頭の中でこんな声が聞こえてくることはないだろうか。
「今は環境がよくない」
「忙しくて時間がない」
「才能がない気がする」
「もう若くない」
やる前から、できない理由が次々に浮かんでくる。
そして気づけば、何も始めないまま時間だけが過ぎていく。
でもこれは、意志が弱いからでも、怠けているからでもない。
本気で考えているからこそ、失敗や無駄を避けたくて、
自然と慎重になってしまうだけだ。
人は楽をしたがる生き物だ。
できない理由や、やらない理由を考えるほうが、
実はとても楽だから。
だからこそ一度、視点を変えてみたい。
やらない理由を探す前に、
「どうすればできるだろうか」と考える人生のほうが、
少しだけ前に進みやすいのではないだろうか。
よく聞くのが「環境が変われば、自分は変われる」という言葉だ。
確かに、環境は大きな影響を与える。
仕事が忙しい、時間がない、周りに理解者がいない。
そう感じることは誰にでもある。
ただ、時間だけは一つだけ平等なものがある。
どんな人にも、同じように流れていく。
「忙しいからできない」と思っている人も、
気づけばスマホを眺めている時間はあったりする。
それは責める話ではない。
それだけ人は、無意識に楽な選択をしているということだ。
才能についても同じだ。
才能がすべてだと感じてしまうと、
何も始めることができなくなる。
でも、才能で争う必要はない。
全員が同じ土俵に立つ必要もない。
大事なのは、
「自分が勝てそうな場所」「特異点」を探すことだ。
誰よりも器用じゃなくてもいい。
誰よりも頭が良くなくてもいい。
これだけは続けられる。
これだけは苦じゃない。
これだけは人より少し詳しい。
そこから方法を考えていくほうが、
現実的で、長く続きやすい。
年齢を理由にしてしまう気持ちも、よくわかる。
「もう若くないから」
「今さら始めても」
でも冷静に考えてみてほしい。
後20年生きる可能性もあれば、
明日何が起こるかもわからない。
若いから間に合うわけでもないし、
歳だから遅いわけでもない。
始めるタイミングは、
思い立った「今」しかない。
多くの人がつまずくのは、
「やった結果が返ってこないのが怖い」という点だ。
時間をかけたのに成果が出なかったらどうしよう。
失敗だったらどうしよう。
その不安は、とても自然だ。
だからこそ人は、
やらない理由を考えてしまう。
それが一番安全だから。
でも、できたかできなかったかよりも大切なのは、
「どうしたらできるか」を考え続ける姿勢だ。
やらないか、できないか、で考える人生より、
どうしたら近づけるかを考える人生のほうが、
間違いなく面白い。
成長したいと感じたとき、
「このままでいいのか」と思ったとき、
それは変わる準備ができているサインだ。
完璧にできなくてもいい。
結果が出なくてもいい。
方法を考える癖がつくと、
見える世界は少しずつ変わっていく。
逆に、できない理由を考える癖がつくと、
考える前に諦めるようになる。
それが一番怖い。
やれる方法を考えることは、
自分の知識や視野を増やすことでもある。
今は非効率に見えることも、
20年後に振り返れば、
「あの時間があったから」と思えるかもしれない。
だから今日も、
やらない理由を集める代わりに、
小さくてもいいから、やれる方法を一つ考えてみてほしい。

コメント