やるべきことは分かっている。
後回しにしても何も変わらないことも、
考え続けても完璧な答えが出ないことも、
本当はもう理解している。
それでも、なぜか一歩が踏み出せない。
この状態になると、多くの人はこう考える。
「自分はダメだ」
「結局、意志が弱い」
「本気じゃないんだと思う」
でも、その自己評価は正確じゃない。
行動できない原因は「怠け」ではない
行動できないとき、
問題にされがちなのは「気持ちの弱さ」や「覚悟不足」だ。
けれど実際には、
そこが原因であることはほとんどない。
人が動けなくなるとき、
脳の中ではある確認作業が行われている。
それは、
「今、これをやっても自分は大丈夫か?」
という問いだ。
危険だと判断された瞬間、
人は前進よりも現状維持を選ぶ。
これは性格の問題ではなく、
生存本能に近い反応だ。
考えすぎる人ほど、ブレーキが強くなる理由
慎重な人、真面目な人、責任感が強い人ほど、
行動前のチェックが細かくなる。
・失敗したら、失うものは何か
・周囲にどう見られるか
・後戻りできる余地はあるか
これらを無意識に確認している。
もしその時点で
「リスクが大きすぎる」と判断されると、
体は命令を聞かなくなる。
頭では「やったほうがいい」と分かっていても、
体は「まだ早い」と止める。
このズレが、
“分かっているのに動けない”感覚を生む。
行動できないのは、防衛が働いているだけ
ここで大事なのは、
この状態を否定しないことだ。
行動できない=怠け
行動できない=甘え
そう決めつけてしまうと、
自分の安全装置を無理やり壊すことになる。
本当は逆で、
今のあなたは、自分を守る判断をしているだけかもしれない。
間違いやすい解決アプローチ
多くの人は、
「考え方を変えれば動ける」と思っている。
もっと前向きに。
もっと楽観的に。
失敗なんて気にしない。
けれど、感情は理屈で従わない。
納得していない状態で
無理にアクセルを踏めば、
ブレーキはさらに強くなる。
必要なのは、
不安を消すことではない。
行動の前に整えるべき「条件」
動ける人がやっているのは、
気合を入れることではない。
「もし失敗しても、致命傷にならない状態」を
先につくっている。
たとえば、
・途中でやめられる余白がある
・誰かに見られずに試せる
・やり直しが可能だと分かっている
こうした条件があるだけで、
体は少し安心する。
行動を軽くするのではなく、
結果を重くしすぎない工夫が重要だ。
「ちゃんとやる」が怖さを生む
考えすぎる人ほど、
「中途半端は嫌だ」と思っている。
その姿勢自体は悪くない。
ただし、
ちゃんとやる=評価される
ちゃんとやる=失敗が確定する
この構図が見えた瞬間、
脳はリスクを高く見積もる。
だから、
動けなくなる。
足りないのは覚悟ではなく余白
動けないときに不足しているのは、
勇気でもモチベーションでもない。
逃げられる余地だ。
・やめてもいい
・合わなければ戻れる
・失敗しても立て直せる
そう思えた瞬間、
体は自然に動き出す。
思考の使い方を変える
「どうすれば一気に進めるか」ではなく、
「どこまでなら無理せず進めるか」を考える。
思考は、
自分を追い込むための道具じゃない。
安心を設計するために使っていい。
まとめ:あなたは遅れているわけじゃない
行動できない自分を見て、
置いていかれた気がすることもあるだろう。
でも、それは遅れではない。
慎重さが必要なフェーズに
今いるだけだ。
理解しているのに動けないときは、
準備不足なのではなく、
安全条件が未設定なだけ。
それを整えてからでいい。
進むタイミングは、
焦らなくていい。

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